平成31年 六郷満山 岩戸寺 修正鬼会(国東市)
修正鬼会とは...
修正鬼会は、国東半島の六郷満山寺院を中心に行われてきた春を迎える伝統行事です。地域では「鬼会(おにお)」とか「鬼夜(おによ)」と呼んだりもします。
平安時代に都の各仏教寺院で「修正会」という正月の法会が行われるようになり、各地の寺院にも広がり、鎌倉時代にはこの国東半島地域に入っていたようです。そして六郷満山寺院では、この地域で行われた「鬼会」という行法と結びつき、独自の「修正鬼会」が生まれたと考えられています。
現在、寺々に残されている鬼会面などから、江戸時代の初め頃から盛んに行われていたようです。
六郷山の寺院は、決して大きな寺ではありませんでしたが、領主の厚い保護を受け、領地や多くの僧を抱えていたことから、各寺院で「修正鬼会」を行うことができました。しかし、明治時代になると、保護する領主もなくなり、寺僧も減少したことから、六郷山の寺々は東・中・西組に分かれ、各組内で相互に加勢しあう方法をとり、およそ20の寺院で「修正鬼会」を行っていました。現在では東組が国東市の成仏寺と岩戸寺で交互に行い、西組が豊後高田市の天念寺で行うだけとなっています。
修正鬼会は寺の僧侶だけでなく、地域の人々が様々な役割を担っています。このことは、六郷満山寺院と地域の結びつきの強さを示すものと考えられています。
仏教儀式でありながら農耕儀式や庶民信仰をも含んだ儀式として、昭和52年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
/
【岩戸寺の(国東市)修正鬼会の日程】
平成31年2月10日(日)
1.昼の勤行 (講堂) 午後3時~
◎講堂で僧侶が読経を行います。
ー
2.お斎(おとき)(本堂) 午後5時~
◎僧侶や鬼会の役付きの人々が食事をします。
3.垢離取り(こうりとり) 午後6時30分~
◎年の勘定とタイレシが淵の水に体を浸してお清めをします。(参道下のコーリトリ淵)
ー
4.盃の儀(本堂) 午後7時~
◎院主とタイレシが盃を交わして縁を結び、鬼会が無事執行されることを祈願します。
ー
5.タイアゲ 午後7時30分~
◎参道で大松明(オオダイ)に火がつけられ、タイレシが担ぎ上げて参道を上がり、六所権現と薬師堂に献灯します。
ー
6.夜の勤行(講堂) 午後8時30分~
◎昼の勤行に続き、読経が行われます。
ー
7.立役(たちやく)(講堂) 午後10時30分~
◎僧侶が香水棒(こうずいぼう)などを持ち、経文に合わせて舞う、一連の行法(ぎょうほう)が行われます。
・米華(まいけ)
2名の僧侶が香水棒・米・ワラ・餅をのせたお盆を持ち、足踏みするように舞います。五穀 成就を祈願する儀式です。
・開白(かいびゃく)
2名の僧侶が右手に香水棒を持ち、足踏みとともに上に突き上げたり床を突いたりしながら舞います。立役に用いる松明の火の安全を祈願する儀式です。
・香水(こうずい)
2名の僧侶が向かい合って香水棒を打ち合わせながらおおきな動きで舞います。
・四方固め(しほうがため)
院主と長老の僧が、右手に太刀、左手に金剛鈴を持ち、講堂の東西南北を結界して、魔物の侵入を防ぎます。
・鈴鬼(すずおに)
2名の僧侶が男女の鈴鬼に扮して、右手に鈴、左手に御幣を持って舞います。最後に荒鬼を招きだします。
ー
8.鬼走り(講堂~地区内) 午後11時30分~
◎2名の僧侶が荒鬼(あらおに)(災払鬼(さいばらいおに)・鎮鬼(しずめおに))に扮して登場します。修正鬼会のクライマックスです。
災払鬼・鎮鬼(さいばらいおに・しずめおに)
鬼とタイレシが「オニハヨー ライショハヨー」と囃しながら前後左右に飛び、松明を振ります。続いて手をつないで輪を作り、参拝者が中に入って加持を受けます。松明で参拝者の肩などをたたき、無病息災の加持を行います。
※火の粉が飛ぶので服装には注意してください
加持が終わると、鬼は寺を飛び出して地区の家々を回り、もてなしを受けます。
ー
鬼後咒(きごじゅ)
地区を回った鬼が講堂へと帰ってきます。鬼は暴れ回りますが、タイレシが押さえつけ、院主が鬼鎮めの餅をくわえさせるとしずまります。鬼は僧侶の衣に着替え、講堂で院主と長老の僧侶が「松明結儀頌」を唱えると鬼会が終了します。
※時間は目安であり、前後することがあります。
-
-
【お問い合わせ】
国東市教育委員会 文化財課
〒873-0504
大分県国東市国東町安国寺1639-2
弥生のムラ 国東市歴史体験学習館内
TEL 0978-72-2677 FAX 0978-72-2505
/
国東市 観光課
〒873-0511
大分県国東市国東町小原2662-1
国東市サイクリングターミナル内
TEL 0978-72-5168 FAX 0978-72-5173