令和2年 六郷満山 成仏寺修正鬼会(国東市)
修正鬼会とは...
修正鬼会は、国東半島の六郷満山寺院を中心に行われてきた春を迎える伝統行事です。地域では「鬼会(おにお)」とか「鬼夜(おによ)」と呼んだりもします。
平安時代に都の各仏教寺院で「修正会」という正月の法会が行われるようになり、各地の寺院にも広がり、鎌倉時代にはこの国東半島地域に入っていたようです。そして六郷満山寺院では、この地域で行われた「鬼会」という行法と結びつき、独自の「修正鬼会」が生まれたと考えられています。
現在、寺々に残されている鬼会面等から、江戸時代の初め頃から盛んに行われていたようです。
六郷山の寺院は、決して大きな寺ではありませんでしたが、領主の厚い保護を受け、領地や多くの僧を抱えていたことから、各寺院で「修正鬼会」を行うことができました。しかし、明治時代になると、保護する領主もなくなり、寺僧も減少したことから、六郷山の寺々は東・中・西組に分かれ、各組内で相互に加勢しあう方法をとり、およそ20の寺院で「修正鬼会」を行っていました。現在では東組が国東市の成仏寺と岩戸寺で交互に行い、西組が豊後高田市の天念寺で行うだけとなっています。
修正鬼会は寺の僧侶だけでなく、地域の人々が様々な役割を担っています。このことは、六郷満山寺院と地域の結びつきの強さを示すものと考えられています。
仏教儀式でありながら農耕儀礼や庶民信仰をも含んだ儀式として、昭和52年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
成仏寺(国東市)の修正鬼会の日程
と き 令和2年1月25日(土曜日)
ところ 成仏寺(国東市国東町成仏1140番地)
※日程の時間は目安であり、前後することがありますのでご了承ください。
※行事中は火の粉が激しく飛びます。燃えやすい素材の衣類は穴が開く恐れがあります。
服装には十分ご注意ください。
1.昼の勤行 午後3時~
◎本堂で僧侶が読経を行います。
2.お斎(おとき) 午後5時~
◎僧侶や鬼会の役付きの人々が食事をします。
3.垢離取り(こうりとり) 午後6時30分~
◎年の勘定(としのかんじょう)とタイレシが淵の水に体を浸してお清めをします。
4.盃の儀(さかずきのぎ) 午後7時~
◎院主とタイレシが盃を交わして縁を結び、鬼会が無事執行されることを祈願します。
5.タイアゲ 午後7時30分~
◎大松明(オオダイ)に火がつけられ、タイレシが担ぎ上げて山門前に献灯します。
6.夜の勤行 午後8時30分~
◎昼の勤行につづき、本堂で読経が行われます。
7.立役(たちやく) 午後10時30分~
◎僧侶が香水棒(こうずいぼう)などを持ち経文に合わせて舞う、一連の行法が行われます。
米華(まいけ)・・・・・・2名の僧侶が香水棒・米・ワラ・餅をのせたお盆を持ち、足踏みする
ように舞います。
開白(かいびゃく)・・・・2名の僧侶が右手に香水棒を持ち、足踏みとともに上に突き上げたり
床を突いたりしながら舞います。
立役に用いる松明の火の安全を祈願する儀式です。
香水(こうずい)・・・・・2名の僧侶が向かい合って香水棒を打合せながら大きな動きで舞います。
四方固(しほうがため)・・院主と長老の僧が、右手に太刀、左手に金剛鈴を持ち、本堂の東西南北を
結界して、魔物の進入を防ぎます。
鈴鬼(すずおに)・・・・・2名の僧侶が男女の鈴鬼に扮して、右手に鈴、左手に御幣を持って舞います。
最後に荒鬼(あらおに)を招きだします。
8.鬼走り(おにばしり) 午後11時30分~
◎3名の僧侶が荒鬼(荒鬼・災払鬼(さいばらいおに)・鎮鬼(しずめおに))に扮して登場します。
鬼とタイレシが「オ~ニハヨー ライショハヨー」と囃しながら前後左右に飛び、松明を振ります。
続いて手をつないで輪をつくり、参拝者が輪の中に入り加持を受けます。加持は松明で参拝者の肩
をたたき、無病息災を祈願します。
加持が終わると、鬼は寺を飛び出して地区の家々をまわり、もてなしを受けます。
明け方、地区の家々を回った鬼は境内に戻ります。鬼は暴れまわりますが、タイレシが押さえつけ、
院主が鬼鎮めの餅をくわえさせると静まります(鬼後咒 きごじゅ)。
鬼は僧侶の衣に着替え、院主と長老の僧侶が「松明結儀頌」を唱えると鬼会が終了します。
【お問い合わせ】
国東市教育委員会 文化財課
〒873-0504
大分県国東市国東町安国寺1639-2
TEL 0978-72-2677 FAX 0978-72-2505
国東市 観光課
〒873-0511
大分県国東市国東町小原2662-1
国東市サイクリングターミナル内
TEL 0978-72-5168 FAX 0978-72-5173